朝ドラ『ばけばけ』はつまらない? 先入観を超える面白さと見どころを徹底考察

朝ドラ『ばけばけ』はつまらない? 先入観を超える面白さと見どころを徹底考察 トレンド

筆者のすずは、NHK『ばけばけ』の公式Xで、こんな言葉を目にしました。

「この世はうらめしい。けど、すばらしい。」

明治の島根で生きる主人公・松野トキの心情を象徴するこの言葉。極貧の生活や社会の変化に戸惑いながらも、人との出会いや怪談という非日常を通して人生の豊かさを見出す姿が浮かんできます。

放送前には「つまらないのでは?」という声もあります。しかし、この言葉から物語を想像すると、ヒロインの繊細な感情や日常に散りばめられたユーモア、そして朝ドラならではの温かみが見えてきます。先入観だけでは測れない、作品ならではの面白さがそこにあるのです。

「この世はうらめしい。けど、すばらしい。」の意味と物語へのつながり

この言葉は、主人公・松野トキの生き方を象徴しています。

「この世はうらめしい」
明治時代の社会変化や父の事業失敗による極貧生活の中で、トキは生きづらさを感じます。上級士族の家系だった松野家が没落し、居場所を失っていく環境は、まさに「うらめしい」状況です。

「けど、すばらしい」
トキの前に現れるのは、外国人教師との出会いや、怪談話という非日常の世界。文化や言葉の壁を越えて心を通わせる中で、トキは困難な状況でも人生の面白さや希望に気づいていきます。

この言葉は、人生には苦しいことと楽しいことが混在していること、そして人とのつながりや興味を通じて「すばらしさ」を発見できるというメッセージを伝えています。

高石あかりさんの魅力

ヒロイン・松野トキを演じる高石あかりさんは、自然体でありながらも存在感を放つ演技が魅力です。ベテランキャストに囲まれても萎縮せず、役柄の持つ「退廃的」「繊細」な雰囲気を自然に表現できます。

制作統括の橋爪國臣さんも、

「自分が先陣を切って進むタイプではない普通の人。でも高石さんの持っている“根っこの明るさ”が暗いシーンでもバランスをとってくれている」

と評価。暗い状況下でも物語を温かく包む存在感が、トキの魅力をさらに引き立てます。

トミー・バストウの演技力と人間性

ヒロインの夫役(ヘブン)を務めるトミー・バストウは、国内外のオーディションで1767人の中から選ばれた実力派俳優。2024年のエミー賞受賞ドラマ『SHOGUN 将軍』でも主要キャラクターを演じ、海外でも活躍する注目株です。

制作統括の橋爪さんは、

「言葉が通じなくても心は通じ合う、という感覚に引き込まれる演技力。スタジオに入った瞬間のオーラも違う。関わった人は皆ベタぼれになる」

と絶賛。トキとの関係性を丁寧に演じることで、物語の温かさや心の通い合いを視聴者に伝えてくれます。

阿佐ヶ谷姉妹の声出演で物語がほっこり

阿佐ヶ谷姉妹の二人が、トキとヘブンの家に住む蛇と蛙の声を担当。
渡辺江里子さん(蛇)と木村美穂さん(蛙)の声を聞くだけで、ほっと和む空気感が生まれます。

「時に親身に、時に遠目に、親戚のおばさんのような気持ちで見守っていきたい」

という二人のコメント通り、物語にユーモアと温かさを添え、視聴者が毎朝心地よく物語に入り込めるポイントになりそうです。

ふじきみつ彦の作風

ふじき氏は過去に『阿佐ヶ谷姉妹の のほほんふたり暮らし』や『デザイナー渋井直人の休日』など、日常の些細な出来事や普通の人々の人生に光を当ててきました。
「何も起きない物語」「夢は○○だけん!(島根言葉)なんて一度も叫ばない朝ドラ」と語る彼の作風は、一見地味に見えますが、その中に小さな事件、ユーモア、心温まる瞬間が巧みに散りばめられています。

  • 日常のささいな出来事に笑いと共感がある
  • キャラクターの些細な葛藤や感情の変化に物語の厚みが出る
  • 視聴者が「ふふっ」と笑えるシーンが随所にある

個人的には『世にも奇妙な物語』や『みぃつけた!』でもその作風を面白く拝見しており、今回の朝ドラでも同じように笑いと温かさが絶妙に織り込まれていることでしょう。

島根の風景と明治時代の空気感

物語の舞台となる島根県は、自然豊かで由緒ある神社が点在する“神々のふるさと”。
松野トキが育つ島根の風景は、朝の光、川のせせらぎ、風に揺れる木々など、丁寧に描かれることで視聴者を物語世界に引き込みます。明治時代の生活文化や習俗も取り入れられ、時代背景のリアルさがドラマに奥行きを与えます。

朝ドラは放送前から話題になる

NHK連続テレビ小説、通称「朝ドラ」は、良くも悪くも放送前から注目を集めます。
直近の例でいうと、『おむすび』はネット上で「脚本が雑」と批判され、関東地区の平均世帯視聴率は13.1%と過去最低でした。その反動か、『あんぱん』は好評でありながら、オープニングのポップな曲やCGに違和感を覚える視聴者もいました。

つまり、朝ドラは作品そのものの評価だけでなく、放送前の期待感や先入観も含めて語られる文化なのです。
『ばけばけ』も例外ではなく、キャスティングやテーマが従来の朝ドラとは異なるため、「つまらないのでは?」という声が早くも出ています。

放送前に「つまらない」と言われる理由と先入観

『ばけばけ』が放送前に疑問視される理由は大きく分けて三つあります。

ラフカディオ・ハーン役のキャスティングへの違和感
歴史上のハーンは小柄で内向的な学者肌。対してキャストの存在感にギャップを感じる視聴者もいます。しかし、放送が始まれば、演技やキャラクター描写で魅力に変わる可能性があります。

妖怪・民俗学といった異色テーマ
朝ドラでは珍しいテーマゆえ、日常ドラマを期待する層からは「馴染みにくい」と思われがちです。しかし、怪談や妖怪を通して描かれる人間ドラマは、従来の朝ドラにない深みや学びを提供してくれます。

脚本家ふじきみつ彦氏の作風による展開のゆったりさ
「何も起きない物語」と言われるふじき氏の作風ですが、これは日常の細やかな描写や人物の内面をじっくり描くための時間。視聴者はキャラクターと世界観に自然に入り込み、小さな発見や笑いを楽しめる余白があります。

これらはいずれも「放送前だからこそ感じやすい先入観」に過ぎません。むしろ、未知の要素に警戒していた視聴者ほど、放送開始後に新鮮な発見や面白さを体験できるでしょう。

まとめ

『ばけばけ』は放送前から「つまらないのでは?」と心配されがちですが、ふじきみつ彦氏の脚本、キャストの魅力、そして独特のテーマが合わさることで、ただの日常ドラマではない多層的な面白さがあります。

  • 高石あかりさんの自然体で繊細な演技
  • トミー・バストウさんの圧倒的な存在感と人間性
  • 阿佐ヶ谷姉妹の和ませる声の演技
  • 怪談や妖怪を通した新鮮な人間ドラマ

放送前の先入観を超えて、日常の中に潜む笑いと温かさ、そして心に響く人間ドラマを楽しめる朝ドラになりそうです。

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