子育てをしていると、どうしてこんなに自分が嫌になるのだろう、と思う瞬間があります。
朝から晩まで、同じことの繰り返し。
やっと片付けたのにすぐ散らかる。
急いでほしいときほどマイペース。
子どもが悪いわけじゃないと頭では分かっているのに、気づいたら声が大きくなってしまう。
そのあと押し寄せるのが、あの重たい感覚。
「また怒っちゃった…」
「私ってダメな母親なのかな」
「もっと優しくできる人が母親ならよかったんじゃない?」
さらに、夫が子育てに積極的でないと
「なんで私ばっかり…」
という不満まで重なり、心の余裕はどんどん削られていきます。
でもね、これだけは先に伝えたい。
こんなに悩んでいる時点で、あなたは本当に“良いお母さん”です。
良いお母さんじゃない人は、自分を責めません。
この記事は、そんな“頑張りすぎているあなた”が、少し深呼吸できるように、心理学の視点から心の背景を丁寧にひも解いていく内容です。
怒ってしまうのは、ダメだからじゃない。「あなたが真剣だから」

心理学では、怒りとは“心の限界を知らせるアラーム”です。怒ってしまうと自分を責めたくなりますが、怒りの根っこには必ず別の感情があります。
例えば、疲れ、不安、孤独、プレッシャー、焦り、悲しみ、余裕のなさ。これらが一定量を超えると、人は怒りという形で表現してしまいます。
特に子育ては24時間ノンストップ。
朝ごはんの支度、連絡帳チェック、送り出し、お弁当、洗濯、仕事、帰宅後の夕食作り、宿題を見る、片付け、お風呂、寝かしつけ…多くのお母さんは、この長いタスクをほぼ一人でこなしています。これはもう立派なマルチタスクのプロです。
こんな環境で怒らない方が難しいのです。怒ってしまうのはあなたが弱いからでも、母親として未熟だからでもなく“負担に対してサポートが足りていないだけ”。あなたがここまでやってこれたことの方が奇跡みたいなものです。
怒りの後悔が襲ってくるのは、あなたが子どもを大切にしたいと思っている証拠です。
怒りは「二次感情」――本当の気持ちを隠す“フタ”
心理学では、怒りは一次感情ではありません。
一次感情とは――
- 悲しさ
- 寂しさ
- 怖さ
こうした“奥にある本音”を守るために、怒りが表に出てくるのです。
つまり、「怒ってしまった」の裏側には、
- 「ちゃんと育てられているか不安」
- 「子どもの将来が心配」
- 「一人で抱えすぎて疲れている」
- 「助けてほしいのに言えない」
- 「自分ばかり負担している気がする」
こうした本音が潜んでいます。
怒りという“見える反応”だけを責める必要はありません。
その奥の気持ちは、どれもお母さんなら自然なことばかりです。
「怒らない子育て」は幻想です

SNSのキラキラした育児を見て落ち込む必要はありません。
あれは“見せられている一部”であって、
あなたが毎日向き合っている“リアルな24時間”ではありません。
- ご飯の準備
- 片付け
- 支度
- 忘れ物チェック
- 宿題
- 寝かしつけ
このフル稼働の中で穏やかにい続けるのは、ほぼ不可能です。
怒ること=悪い母親
ではありません。
怒ることも家族のコミュニケーションの一部です。
大切なのは、“怒る頻度”や“怒り方”を少し整えていくこと。
ちょっと息抜き。「くそばばーは子育て成功の証」って知ってる?
反抗期の子どもが母親にだけ強く当たる理由。
それは**「この人は裏切らない」という絶対的な安心感があるから。**
心理学ではこれを「安全基地(Secure Base)」と呼びます。
つまり、
「くそばばー!」は、最高に信頼されている証拠。
本当に信用していない相手には、子どもは強く出ません。
父親より母親に反抗する子が多いのはそのためです。
だから、あなたは既に“成功している”部分もあるんです。
どうして夫は子育てに参加しないの?夫側の心理を深掘り

ここからは多くのお母さんが苦しむ“夫問題”に触れていきます。夫が子育てに積極的でないと、その分あなたの負担が増え、怒りやすくなるのは当然です。でも夫側にも夫側の心理があります。決して「やりたくない」「関心がない」だけではありません。
男性は“できないこと”を責められるのが苦手
男性は、できないことを指摘されると強いストレスを感じる傾向があります。「泣かれたらどうすればいいか分からない」「妻の方が明らかにうまい」「自分がやると時間がかかる」こうした劣等感が無意識に行動をブレーキします。それに男性は“正解が欲しい”生き物。「どう遊べば正解?」「どう世話したらほめられる?」これが分からないと動けません。
やってもほめられないとやる気が下がる
男性の脳は“成功体験”で動きます。「ありがとう」「助かったよ」と言ってもらえると動きやすい。でもミスだけ指摘されると、「やっても意味がない」「どうせまた怒られる」と感じてしまい、距離を置くようになります。これが“無関心のように見える状態”の正体。
あなたが上手すぎる
多くの夫は、妻のすごさに気づいていません。なぜならあなたが完璧にやりすぎるから。家事も育児もテキパキこなしてしまうため、夫は「自分の出る幕はない」と勘違いしてしまうのです。
あなたの気持ちを軽くするために大事なのは、
「夫にも“未熟な部分がある子ども”のような状態なんだ」
と理解すること。
もちろん、あなたが悪いわけではありません。
怒りやモヤモヤが軽くなる3つの視点

① “一人で完璧”をやめていい
子育ては本来チームプレイ。
でも現実はお母さんの負担が多い。
だから、怒るのは当然の話。
② 怒る前の“小さなサイン”に気づく
- 疲れている
- 自分の時間がない
- 今日の予定が崩れた
- 誰にも相談できない
このサインに気づけると、爆発を防ぎやすくなります。
③ 「私が全部悪い」は誤解
ワンオペ/睡眠不足/精神的サポートなし。
この環境で怒らない人はほぼいません。
今日からできる、怒りを減らす実践法

① 行動ではなく“気持ち”を言語化
「また散らかして!」
→
「片付いてないと、ママは余裕がなくなっちゃうんだ」
② 5秒深呼吸 or タイムアウト
一度場を離れるだけで、怒りの波は下がりやすい。
③ “今日できたらOKの一つ”を決める
全部完璧にしない。
④ 自分のケアを毎日少し入れる
母親のメンタルが整うと、怒りの数は自然に減っていきます。
夫の協力を引き出す“伝え方”のコツ
① 要望はひとつだけ
「なんでもいいから手伝って」は男性には抽象的。
② 感情ではなく“事実”で伝える
攻められると男性は逃げる。
③ できたら褒める
男性は成功体験で動く。
あなたの価値は「怒るかどうか」で決まらない。
怒った日があっていい。
泣いた日があっていい。
完璧じゃなくていい。
あなたはもう十分すぎるほど頑張っています。
子どもがあなたに甘えるのは、
「世界で一番安心できる人」だから。
だからこそ、どうかあなた自身にも、もっと優しくしてあげてください。
もし今、
・家事育児の負担で気持ちがいっぱいいっぱい
・自分の感情をどう扱えばいいかわからない
・パートナーとの距離感に悩んでいる
・心に余裕がほしい
そんな思いを抱えているなら、
ひとりで抱え込まなくて大丈夫です。
気持ちを言葉にするだけで、心の重たさがふっと軽くなることがあります。
そして、そのためには 安心して話せる相手 がとても大切。
どんな人に相談すれば心がラクになるのか、
逆にどんな相手は避けたほうがいいのか──
詳しくこちらにまとめています。
👉あなたの気持ちを軽くする“安全な聞き手”とは?選び方と注意点
あなたの心が少しでも軽くなりますように。


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