鬼滅の刃 黒死牟の心理徹底分析|過去と嫉妬、永遠の執着

鬼滅の刃 黒死牟の心理徹底分析|過去と嫉妬、永遠の執着 トレンド

鬼殺隊最強の柱たちを追い詰めた上弦の壱・黒死牟(こくしぼう)。その圧倒的な強さは、鬼殺隊にとって最大級の脅威でした。しかし、その強さの裏にあるのは、永遠に満たされない執着と孤独。

そして、この物語の主人公である炭治郎は、直接黒死牟と刃を交えたわけではありません。それでも彼は、鬼の心に寄り添う少年です。鬼たちの過去に涙し、ときに哀れみを抱きながら戦ってきた炭治郎なら、黒死牟を見て何を感じたのでしょうか?

この記事では、

  • 黒死牟の過去と心理
  • 炭治郎の「哀れみ」と「憎しみ」の対比
  • 黒死牟の最期と、その意味
    を深掘りします。

黒死牟の過去:双子の弟・縁壱という「超えられない壁」

鬼滅の刃 黒死牟の心理徹底分析|過去と嫉妬、永遠の執着

黒死牟の人間時代の名は継国巌勝(つぎくに・みちかつ)。戦国時代に生まれ、双子の弟・**縁壱(よりいち)**とともに生を受けました。しかし、この双子は巌勝の一生を狂わせる存在になります。

幼少期、双子は不吉とされ、弟・縁壱は蔵に押し込められます。巌勝はそんな弟を哀れに思っていました。しかし、ある日、縁壱が竹刀を握った瞬間、その認識は一変します。

縁壱は初めての稽古で師範を一撃で失神させる天才でした。さらに、耳飾りをつけ、透き通るような感覚を持ち、どんな剣士よりも速く、強く、美しい剣を振るう。

自分には一生かかっても届かない……

巌勝の中で、恐怖と嫉妬が膨れ上がっていきます。やがて縁壱は鬼殺隊に入り、人類史上最強の剣士となりました。巌勝もまた、縁壱を追いかけるように鬼殺隊に身を投じますが、その背中は永遠に遠い。

「強さ」への執着と、鬼になる選択

巌勝は努力を重ね、「月の呼吸」を極めました。しかし、それは縁壱の「日の呼吸」の劣化版に過ぎませんでした。しかも、痣が発現したことで、25歳までに死ぬ運命を突きつけられます。

そんな時、鬼舞辻無惨が現れます。
鬼になれば、死なない。無限に強くなれる。

巌勝は迷い、そして選びました。
「縁壱に勝てないなら、せめて生き延びて、強さを積み重ねるしかない」

こうして巌勝は鬼となり、上弦の壱・黒死牟として生まれ変わりました。しかし、鬼になったその瞬間から、彼は永遠に叶わぬ夢を追い続ける存在となったのです。

炭治郎の視点:「哀れみ」か「憎しみ」か

炭治郎は黒死牟と戦っていませんが、鬼殺隊の仲間たちが彼と死闘を繰り広げ、無惨戦でその名を聞いています。では、炭治郎は黒死牟をどう見ていたのでしょう?

炭治郎の価値観の根底にあるのは、**「強さは誰かを守るためにある」**という信念です。家族を失いながらも、妹・禰豆子を守るために戦い続けた炭治郎にとって、黒死牟の在り方は真逆でした。

  • 憎しみの理由
    黒死牟は、仲間の命を奪った鬼。悲鳴嶼、実弥、無一郎、玄弥……大切な仲間を瀕死に追い込んだ存在です。炭治郎が怒りを覚えないはずはありません。
  • 哀れみの理由
    しかし、炭治郎は無惨戦で黒死牟の過去を耳にし、こう考えたかもしれません。
    鬼になってまで、何を守りたかったんだろう?
    誰かのためじゃなく、自分のためだけに強さを求めるのは、あまりに孤独だ

炭治郎が無惨に向けて言った言葉があります。
お前は何も守れなかった。強さを求めて、すべてを失った
これは、黒死牟にも当てはまる言葉です。

黒死牟の最期:崩れ落ちる「強さ」への執着

激闘の末、黒死牟はついに頸を落とされます。しかし、鬼である彼はなおも立ち上がり、戦おうとします。
そのとき、実弥の刃に映ったのは――
6つの目、2本の角、触手を生やした醜悪な自分の姿。

これは侍の姿か? 俺は何を目指していたんだ?

縁壱と過ごした日々が脳裏に蘇ります。幼い縁壱が、優しく笑っていたあの日のこと。
兄上の夢は、この国で一番強い侍になることですか?

黒死牟は悟ります。自分はただ、縁壱になりたかった。弟と並んで歩きたかった。
それなのに、すべてを捨てて鬼になり、家族を捨て、人の心を捨て――何一つ手に入れられなかった。

惨めだ……
黒死牟は涙を流しながら崩れ去っていきます。

炭治郎なら、こう言っただろう

もし炭治郎がその場にいたら、彼はこう思ったはずです。
あなたは、誰かのためじゃなく、自分のために戦ってしまった。だから苦しかったんだ
そして、最後にこう願ったでしょう。
せめて、もう苦しまないでください

炭治郎は鬼に対して怒りも抱きますが、それ以上に**「人としての哀れみ」**を忘れません。
黒死牟という存在は、炭治郎にとって「強さの意味」を問い直させる存在だったに違いありません。

結論:「強さ」と「優しさ」の違い

黒死牟は、強さだけを求め続け、最後まで救われませんでした。
一方、炭治郎は「優しさ」を力に変え、仲間とともに無惨を討ちました。
鬼滅の刃という物語が伝えるのは、強さの本質は、誰かを守る優しさにあるということ。

黒死牟の生き方は、その逆を行ったからこそ、あまりに悲しく、そして人間らしい。
だからこそ、読者の胸を打つのです。

上弦の鬼の過去と心理をもっと知りたい方はこちら

鬼の特徴と登場編をまとめました。過去や心理をもっと知りたい方は各リンクからチェック!

位階名前能力・血鬼術特徴
上弦の壱黒死牟(こくしぼう)月の呼吸(剣技系の血鬼術)元・鬼殺隊の剣士で、霞柱・時透無一郎の先祖。六眼と6本の腕を持つ。
上弦の弐童磨(どうま)冷気・氷を操る血鬼術宗教団体の教祖。感情が希薄で常に笑顔。胡蝶しのぶと因縁がある。
上弦の参猗窩座(あかざ)破壊殺(格闘術)武術に特化。強さを何より重んじる。煉獄杏寿郎と激闘を繰り広げた。
上弦の肆半天狗(はんてんぐ)分裂と感情体の操縦怯えの感情から分裂し、複数の分身体を戦わせる。無惨に忠実。
上弦の伍玉壺(ぎょっこ)壺を使い水棲生物を操る血鬼術壺から異形の魚や生物を生み出す。芸術に執着。
上弦の陸堕姫(だき)&妓夫太郎(ぎゅうたろう)帯の操作(堕姫)、毒を含む血鎌(妓夫太郎)遊郭に潜んでいた兄妹鬼。二人一組で「上弦の陸」とされる。

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