スマホもSNSもなかった1984年。誰かに「いいね」をもらう代わりに、目を見て、声を張り上げ、自分を認めてもらおうと必死だった若者たちがいました。そんな昭和最後の熱量を描く注目のドラマが、三谷幸喜脚本×菅田将暉主演で2025年10月に始まります。
タイトルは――『もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう』。この記事では、三谷幸喜脚本×菅田将暉の新作ドラマのあらすじやキャスト、1984年という時代背景、そして令和との対比から見えるメッセージを深掘りしてお届けします。
◆ ドラマ『もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう』基本情報と放送日
- タイトル:もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう
- 放送開始日:2025年10月1日(水)夜10時~
- 脚本:三谷幸喜(25年ぶりの民放ゴールデン帯連ドラ)
- 主演:菅田将暉
- 放送局:フジテレビ系
- 公式HP:https://www.fujitv.co.jp/moshi_gaku/
◆ キャスト一覧|主演・菅田将暉ほか豪華俳優陣
- 菅田将暉(久部三成):小劇場で演劇に打ち込む青年。三谷幸喜の若き日の姿を彷彿とさせるキャラクター。
- 二階堂ふみ(倖田リカ):ダンサーであり、三成の夢に大きな影響を与える存在。
- 神木隆之介(蓬莱省吾):放送作家志望。冷静さの裏に秘めた理想と葛藤を抱える。
- 浜辺美波(江頭樹里):神社の巫女。物語の象徴的なポジションで、昭和の“純”を体現。
- その他:小林薫、市原隼人、アンミカ、秋元才加、戸塚純貴、佐藤大空 ほか。
◆ あらすじ|1984年渋谷を舞台にした青春群像劇
舞台は1984年、東京・渋谷。
バブル景気の入り口、誰もが「明日はもっと良くなる」と信じていた時代。
しかし、街の片隅には、まだ何者でもない若者たちがいた。
夢を追い、恋に悩み、挫折し、衝突しながらも、ひたむきに“舞台”に立とうとする人々――。
演劇に命を懸ける青年・久部三成(菅田将暉)を中心に、個性豊かな仲間たちが織りなす、笑いと涙の青春群像劇です。
◆ 1984年はどんな時代?バブル前夜のリアルな風景とカルチャー

渋谷スクランブルと109ブーム
1984年の渋谷は、すでに若者文化の発信地でした。
スクランブル交差点を渡るのは、肩パッド入りのジャケットを着た女性たち。
109はファッションの最先端、PARCOの広告はアートそのもの。
夜になれば、渋谷のディスコにはミラーボールが輝き、
街はエネルギーで満ちていました。
昭和のファッションと音楽|中森明菜、安全地帯、ウォークマン
1984年の街角では、ラジカセから中森明菜『飾りじゃないのよ涙は』、
そして安全地帯『ワインレッドの心』が流れていました。
ウォークマンをポケットに入れて、カセットテープで音楽を聴くのが当たり前。
プレイリストなんてない。好きな曲をダビングするために、深夜ラジオにかじりついた――そんな時代です。
ファッションは、
- 肩パッド入りジャケット
- ハイウエストスカート
- 男性はトラッドやアメカジ
と、バブル前夜の雰囲気が漂っていました。
流行とライフスタイル|ファミコン、カラオケBOX、テレホンカード
- ファミリーコンピュータ(ファミコン)が家庭に普及し、ゲーム文化が花開いた年。
- カラオケBOXが登場し、夜な夜な若者が熱唱。
- テレホンカードはコレクションアイテムとして人気。
連絡手段は公衆電話。待ち合わせは「ハチ公前」か「モアイ像」。
今のようにLINEで「着いたよ」なんて言えない。
だからこそ、人と人が“本気で”つながる時代だったのです。
◆ 令和との対比|なぜ今、1984年の物語なのか?

昭和の熱量|「いいね」の代わりに全力でぶつかる
1984年には、SNSもスマホもありませんでした。
承認欲求を満たすのは「目の前の人」。
「お前、いい芝居するな」その一言をもらうために、汗をかき、ぶつかり、必死になった。
舞台に立つことを、自分で選べる時代。
だから、そこには本物の熱量があった。
令和の息苦しさ|SNSで休む場所がなくなった現代
一方、令和の私たちは、SNSで常に“舞台”に立たされている。
スマホ一つで世界とつながり、「いいね」をもらう代わりに、誰かの視線にさらされ続けている。
でも――
楽屋は、どこにある?
どこで休めばいい?
オンラインとオフラインの境目がない今、私たちは疲れてしまう。
タイトルの問いかけは、現代人へのメッセージです。
「あなたは、自分を休ませる場所を持っていますか?」
◆ 三谷幸喜ワールドの魅力と見どころ
三谷幸喜さんは、1984年当時、劇団「東京サンシャインボーイズ」で活動を始めた頃。
このドラマには、彼の駆け出し時代のエッセンスが詰まっているといわれています。
- 会話劇の妙
- 群像劇ならではの人間模様
- 笑いと涙の絶妙なバランス
そして何より、菅田将暉×三谷幸喜の黄金タッグが最大の見どころです。
◆ まとめ|あの頃を知らない世代にも刺さる理由
『もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう』は、ただの昭和レトロドラマではありません。
“舞台”と“楽屋”というテーマは、令和を生きる私たちに響くものです。
SNS時代、私たちはずっと誰かに見られている。
でも、自分を休ませる“楽屋”を、ちゃんと持てているでしょうか?
このドラマを見れば、1984年の渋谷で、不器用に、でも必死に生きた若者たちの姿から、「生きるってこういうことかもしれない」と感じられるはずです。
10月、あなたも1984年の渋谷へタイムスリップしてみませんか?
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